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メリークリスマス。
混血の孤児たちへのプレゼントは空からの東京見物、天にも昇る嬉しさで
す。
毛並みを誇るシャム猫も紳士淑女然のたたずまいでクリスマス・パーティ。
ワン公のおしゃれも又大変。パリの一流デザイナーが腕によりをかけたト
ップモードは正にワン・ラインといったところ。
うるさい地上では面白くないとこちらは水の中のクリスマス。ここでシャ
ンペンを呑むのは一寸むずかしそうです。
テントにデコレーションをつけて明日の登頂を前にささやかな山のパーテ
ィは日本のアルプスのクリスマスイヴ。
厳しい冬の黒部渓谷、電源開発の作業は今日も休みなく続けられています。
地底に生きる人々のたくましい笑顔を見せて、今日は単調な冬籠りの生活
を彩る男ばかりのクリスマスです。
銀座に浮かれ出た凡そ七十万の迷える小羊の群は夜通しのお祭り騒ぎを演
じ、街のサンタ・クロースもすっかり思案顔でした。
(作品No.NAJ0753-03)
(昭和34年12月29日公開)
ウィンタースポーツの華は何といってもスキー。ザイラーや猪ヶ谷選手を
しのぐ大選手に仕上げるんだと大はり切りの在るお父さんは今日も暗いう
ちから三人の子供を引き連れてゲレンデ通いです。
スキーブームなればこそのスキー教室。
雪国の自衛隊はスキー位出来なくてはと、今日は楽しい演習です。
この程東京の近くにマンモス室内スキー場が完成。氷を砕いた二百五十米
の人工ゲレンデの滑りぞめはトニー・ザイラーです。
でもスキーは矢張り山に限ると新潟県の岩っ原に出掛け、スピードに乗っ
た鮮やかなスラロームで雪の王者の貫禄を見せました。
夜のヒュッテでは日本語の歌を歌って御機嫌のトニー・ザイラー、雪山の
魅力は日本もオーストリアも変らない様です。
(作品No.NAJ0753-01)
(昭和34年12月29日公開)
国民の祝福のうちに皇太子御夫妻は御成婚のパレードをくり展げました。
世界一の笑顔をみせて、ミス・ユニバースに選ばれた児島明子さん。三十
年来の夢が結んで一九六四年オリンピックが東京に決定。ローマへの道を
目指す山中選手は好敵手ローズを迎えて数々の世界新記録を打ち樹てまし
た。
宇宙オリンピックでは宇宙ステーションによる月の裏側の撮影に成功した
ソビエトに凱歌が上りました。
大向うをうならせたフルシチョフ、ニクソンの台所論争。そしてフルシチ
ョフ、アイクの東西の両巨頭は相携えて国際緊張緩和への道をふみ出しま
した。
アメリカ極東戦略の前線基地、沖縄にナイキ・ハーキュリーズが持ち込ま
れ、発射テストが行われました。ミサイル時代に遅れまいとする防衛庁は
サイドワインダーを買い込み、そして源田報告は次期戦闘機にロッキード
を選びましたが、日本の国防計画が何を目指しているのか様々の論議をま
き起しました。防衛庁のミサイル試射場に選ばれた伊豆の新島では、賛成
反対で激しくもみ合いました。
又駐留軍を憲法違反とした砂川事件の伊達判決は内外の注目を集めました
が、十二月十六日最高裁は伊達判決の破棄を云い渡しました。
裁判批判の焦点松川事件が原審さし戻しとなり、十年がかりの論争はふり
出しに戻りました。
自民党の総裁争いで晴れて総裁となった岸さん。続く参議員選挙にも社会
党をおさえ、岸体制をかため、更に反主流派の池田氏を抱き込み、岸内閣
はすっかり模様替え、念願の日米安保条約改定交渉に乗り出すことになり
ました。一方安保問題に対する西尾末広氏の言動が統制違反だと社会党大
会は大混乱、西尾氏等右派が相継いで離党、新党結成に乗り出しました。
処分と反対闘争のイタチゴッコで今年も教壇をゆさぶり続けた勤評問題。
合理化の名のもとに吹き荒れる九州の炭鉱地帯。
国鉄志免炭鉱の払下げは血を見るに至り、首切りにつぐ首切り、エネルギ
ー革命の前に不況のどん底にあえぐ炭鉱の悲劇は、何時まで繰り返される
のでしょうか。
国会ではベトナム賠償協定や安保改定をめぐって与野党が激しく対立。安
保改定阻止第八次統一行動のデモ隊は警戒線を破って国会の構内になだれ
込みました。これによって国会周辺のデモ規制法が取り上げられ、加藤衆
議院議長は社会党の反対を押切って浅沼書記長等を懲罰委員会にかけまし
た。今年も又相ついで襲った自然の猛威、伊勢湾台風は死者二千名という
空前の大被害でした。宿命とあきらめるには余りにも痛ましい出来事でし
た。
寸断された海岸堤防は災害と政治の断層をまざまざと示すものでした。台
風に対する安全保障こそ政治に課せられた大きな宿題といえましょう。
新しい年と新しい生活を祖国で迎えるために北朝鮮への帰還が始まりまし
た。
送る人送られる人、二つの国民の友情は、海を越えて通い合う事でしょう。
暮れゆく一九五九年、めまぐるしい時の流れは日本の歴史に思い出多い一
ページを加えて足早に過ぎ去ろうとしています。
(作品No.NAJ0752-01)
(昭和34年12月23日公開)
十二月十日は北朝鮮帰還第一陣出発の日。住みなれた土地、親しんだ人々
とつきぬ名残りを惜しみながら南から北から新潟へ向います。東京品川の
駅頭は韓国系の妨害に備えて水ももらさぬ警戒ぶりでした。
赤十字の人道精神は帰りたい国へ帰りたい人々に遠かった故郷への道を近
づけたのです。
一夜明けて東京からの列車が新潟駅にさしかかった時、韓国系の人々が線
路にとびおりて列車の進行を阻止しようとしましたが警官隊に排除され更
に亀田駅附近でも大阪方面からの列車に対して妨害が行われましたがこれ
も警官隊がかけつけ列車は一時間余り到着が遅れただけでした。
こうして新潟駅前はものものしい空気に包まれ帰還者を乗せたバスは警官
隊の人海戦術に守られ日赤センターへ入りました。
十二月十四日待ちに待った船出の日。二百三十八世帯九百七十五人の帰還
者はトボリスク号とクリリオン号にそれぞれ渡船。
岸壁では日本と北朝鮮赤十字代表が全員の引渡証にサインしていよいよ出
港です。
喜びも悲しみも交々に胸迫る日本の思い出。
こうして午後二時九分自由国から共産圏への集団大移住として世界の注目
を集めた北朝鮮帰還第一船は長い友情の航跡を残して清津目指して船出し
て行きました。
(作品No.NAJ0751-02)
(昭和34年12月16日公開)
大量首切りでもめつづける三井三池炭鉱。指名解雇強行の会社側に抗議す
る三万人のデモは千四百七十一通の退職勧告書を火のなかに投げ込んで激
しい気勢をあげました。一方東京では守り不尊の大黒様に三井八郎右衛門
氏がお家の安泰を祈っていました。
ミサイル試射場の受入れをめぐって紛糾する伊豆の新島。
東京から応援のお巡りさんもかけつけ十二月十日反対派のとりまく村役場
の村会議で試射場受入の採決が行われました。
怒った反対派は役場になだれ込んで村はじまって以来の大騒ぎとなりまし
た。
学園の自治をめぐって大きな問題を起した東大。
各学部の学生大会も逮捕状の出ている二人の学生の学外退去を求める空気
に警視庁の自重を望んでいた茅学長も一安心。
十二月十日朝安保反対統一行動のデモの先頭に立った葉山前緑会委員長は
待ち構えた警視庁機動隊に逮捕。又駒場の教養学部からデモ隊に守られて
出て来た清水全学連書記長も警察隊に包囲逮捕されました。
このあと学生達は日比谷公園で安保改定反対の大会。そこへ右翼がなぐり
込みをかけるという一幕もあり、右からも左からもまま子扱にされる若者
たち、その怒りはどこへぶつけられることでしょう。
(作品No.NAJ0751-01)
(昭和34年12月16日公開)
九州の炭鉱の一日はデモの歌声に明け生産の響きの絶えて久しい福岡県
大牟田市の三井三池鉱業所は今労使対決の天王山です。最後の処置に解
雇を図るという三井鉱山栗木社長に対して、総評は闘争資産に糸目をつ
けないと高姿勢です。
こうした中で三池炭鉱から製作所部門が分離し炭労の仲間とたもとを分
った新組合員の表情は複雑です。
かつての大牟田市の活気を望んで市民の間からは合理化を早く進めて欲
しいという声もあがっています。
ついに十二月二日朝千四百人に指名退職勧告書が発送されました。その
日緊張した職場大会で組合は一括返上で対抗することを決め指名解雇を
めぐって三池炭鉱は最早避けられない衝突をむかえようとしています。
(作品No.NAJ0750-03)
(昭和34年12月9日公開)
十二月五日、新潟の赤十字センターの開所式が行われてもう帰国者を待
つばかりです。しかし出港の日が迫るにつれて南北の対立はけわしくな
り帰還業務の前途を気づかわせています。
帰国者達の荷造りする手ももどかしく、心はもう故郷に飛んで待ちわび
た帰国船がやって来ると、喜びの集りが各地で行われました。
伊勢湾台風に襲われた帰国者達のわが家を去った悲しみも今は帰国の喜
びに消えてしまいました。住み馴れた日本に美しい思い出を残して置こ
うと、釧路では記念の時計台が建てられ、又函館では千本の桜が心をこ
めて植えられました。
帰国者達に何時も暖かい愛の手をさしのべてくれた東京文京区のある診
療所の先生たちに、お礼の記念品が贈られました。
海の彼方北朝鮮の都、平壌は戦火の跡もすっかり消えて、復興した街に
は帰国者を迎えるアパートが立ち並び朝鮮人としての新しい生活が待っ
ています。
何時までも仲良しでいましょうと朝鮮に帰るお友達の胸にカーネーショ
ンを飾る日本の子供たち。送る者送られる者こうして友情の輪が大きく
ひろがって行く事でしょう。
(作品No.NAJ0750-02)
(昭和34年12月9日公開)
ジングルベルが流れ出てまちはもう師走です。岩戸景気とあってデパー
トではパートタイマーの大募集。冬休みの学生にとっては書き入れ時の
季節がやって来ました。
馴れぬ手つきでつつまれる年の暮の贈りもの、それをお届けするのは勿
論サンタのお兄さん達です。少々つらくとも楽しいアルバイトです。
師走の駅々は物凄い殺人ラッシュ。学生服を脱ぎかえた臨時駅員はさば
き切れない人波を次から次へと車の中へ押し込みます。
郵便屋さんは今年も年末闘争に入りました。目の色を変えてかき分ける
郵便物の山。アルバイト泣かせの郵便闘争です。ややこしい地図を頭に
つめ込んでさて外に出てはみたものの東京の街はどうも分りにくい様子
あちらでもこちらでも地図と首っ引きの学生郵便屋さん達。
息つく間もない気ばかりあせる年の暮れです。
(作品No.NAJ0750-01)
(昭和34年12月9日公開)