荒れ狂った「無法地帯」 (昭和36年 朝日ニュースNo.839)
タクシーにはねられた老人に対する警察の取扱いとうっ積された反警
察感情の爆発が発端となって大阪釜ヶ崎一帯は八月一日深夜からさな
がら無法地帯となってしまいました。
通称釜ヶ崎ドヤ街の住民は暴徒と化し西成署をはさんで警官と激しく
対立、夜を重ねるごとに暴徒の数はふえ三つの交番は次々と焼かれ、
パトカーや一般の乗用車をひきずりこんで焼打ちにするなど更に商店
やアパートにまで放火、暴行の限りをつくしました。これに対し三日
夜から警官隊は六千人に増員され装甲車を先頭に棍棒をふるい高姿勢
の実力行使に入りました。
こうして三日二晩に亘った暴動も一人の死者とおびただしい負傷者を
出して一段落をつけました。
今日も暗く打ちひしがれたどん底の町で、真面目に働こうとする人達
にダニのようにまといつく手配師。吹きだまりの人生にかじりついて
ゆくここの人たちはそのがんじがらめの縄目に自暴自棄な反感を深め
てゆきます。
政治と社会の暗い谷間に起きたこの事件に積極的な対策を望まれてい
ます。
(作品No.NAJ0839-01)
(昭和36年8月9日公開)